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大切な家族が旅立ったとき、悲しみのなかで「まず何からすればいいのか」と戸惑う方は多くいます。気持ちの整理がつかないまま、何をすればいいかわからずに時間だけが過ぎてしまうこともあるでしょう。
この記事では、ペットが亡くなった直後にすること、ご遺体の安置方法、火葬の手配、役所への手続きまでを時系列でわかりやすく解説します。
いざというときに慌てず行動できるよう、事前の知識として役立てていただければ幸いです。
①エンゼルケアをする(体を清める)
亡くなってから2〜3時間で死後硬直が始まるため、硬直が始まる前に清拭・毛並みを整えてあげましょう。
動物病院やトリミングサロンでエンゼルケアに対応しているところもあります。
②ご遺体を安置する
段ボールにタオルを敷き、普段ペットが好んでいた姿勢で寝かせます。
保冷剤(タオルに包む)で胸・腹部・頭周りを冷やしながら安置しましょう。硬直が始まった場合は無理に動かさず、1~2日くらい再び柔らかくなるのを待ちます。
③葬儀業者を手配する
民間業者か自治体かを決め、当日〜翌日中に連絡しましょう。
気持ちの準備が整うまでゆっくりお別れの時間を過ごすことも大切です。
④犬の場合:30日以内に市区町村へ死亡届を提出する
狂犬病予防法により義務。猫・その他ペットに法的な届出義務はありません。
麻布大学大学院修了後、大学病院研修医を経て動物病院に勤務。ペットロス研究を契機にグリーフケアを学び、2003年に「動物医療グリーフケア®」を構築。出会いから看取りまで、ペットと飼い主の心の絆に寄り添う医療を実践。
合同会社Always代表として待合室診療やカウンセリング、セミナー・講演・執筆活動にも従事。著書に『犬と私の交換日記』『猫と私の交換日記』があり、全国で「ペット主役」の医療の普及に取り組む。幼少期から動物と暮らし、ペットとコミュニケーションを取りながら成長したことから、 獣医師としてペットの気持ちに寄り添う視点を重視している。
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大切なペットのためにしてあげられることを、一つずつ落ち着いて進めていきましょう。以下を参考に、落ち着いて取り組んでください。
呼吸・心拍・反射(まぶたや瞳孔の反応)が完全に止まっていることを確認します。
動物病院で亡くなった場合は獣医師が確認してくれますが、自宅で亡くなった場合は飼い主が確認することになります。
判断に迷う場合や、かかりつけの動物病院が近くにある場合は、まず電話で状況を伝えて指示を仰ぎましょう。
身体をきれいに清め、生前に近い穏やかな姿に整えるケアを「エンゼルケア」といいます。
亡くなってから2〜3時間ほどで死後硬直が始まります。硬直が始まる前に、エンゼルケアを行いましょう。動物病院やトリミングサロンでエンゼルケアに対応しているところもあります。
エンゼルケアでは、以下の順に体を清めてあげてください。
1.口・鼻・肛門の汚れを拭く
亡くなった後、体液が口・鼻・肛門から出てくることがあります。また、闘病中に汚れが取れないこともあり、清潔なガーゼやコットンで優しく拭き取ってください。ぬるま湯で湿らせたガーゼやタオルも良いでしょう。
2.被毛を整える
濡らしたタオルで全体を撫でていきます。爪や毛玉を取り、ブラシで毛並みを整えてあげましょう。
3.首輪・リードを外す
火葬の際に燃えない金属類は事前に外しておく必要があります。お気に入りの洋服やバンダナなどがある場合にはいつのように着せてあげましょう。
その後、ペットがいつも寝ているときのような体勢に整えるとまるで眠っているように自然で安らかな姿になるでしょう。
ペットは目を開けたまま亡くなります。無理に閉じることはせずお顔を撫でながら自然な形を守りましょう。
体を清めたら、棺となる箱(段ボール箱など)を用意してご遺体を安置します。
以下のものと、個々のペットが喜ぶようなその子に似合うお花を用意するとよいでしょう。
必要なもの | 用途 |
|---|---|
段ボール箱(体より一回り大きいサイズ) | 棺として使用 |
ペットシートまたはビニールシート | 箱の底に敷く |
タオルまたはブランケット | ご遺体の下と周りに敷く |
保冷剤(複数個)またはドライアイス | ご遺体を冷やして状態を保持する |
ガーゼ・コットン | 体を清めるために使用 |
肉球スタンプセット | 手や足型のスタンプを残す |
大切なペットへのお供えとして、花やおもちゃなどを一緒に火葬したいと思う方も多いでしょう。
副葬品の可否は業者によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
一緒に火葬できるもの
事前に確認が必要なもの
一緒に火葬できないもの
※詳細は火葬前に業者スタッフへ確認してください。
適切に安置することで、火葬の手配が整うまでご遺体の状態を保つことができます。
保冷剤を直接ご遺体に当てると水滴が出てしまうため、必ずタオルで包んでから当ててあげてください。体の大きさに合うペットボトルを冷凍して使用することもできます。
遺体に直射日光が当たるのを避け、涼しい場所で安置しましょう。
適切に保冷した場合の目安です。個体差や季節・室温によって大きく変わります。エンゼルケアを適切に行うと、少し長く安置できるようになります。
季節 | 安置の目安 |
|---|---|
夏(気温の高い時期)冷房した室内 | 2~3日程度 |
春・秋(気温によって冷房した室内) | 2〜3日程度 |
冬(気温の低い時期) | 3〜4日程度 |
近年では、専用の冷却装置をレンタルして自宅でゆっくりお別れの時間を過ごせるサービスもあり、電気式の冷却装置を使うことで、より長期間(最長20日程度)安置できる場合があります。
ただし、対応エリアや取り扱いがある葬儀業者、費用などは地域やサービスによって異なるため、利用を検討する場合は事前に確認しておきましょう。
火葬の手配は、気持ちが落ち着いたときに動き始めることをおすすめします。
安置が整ったら、火葬の手配を進めましょう。大きく分けて民間のペット葬儀業者と自治体の2つの選択肢があります。
民間業者は火葬プランの選択肢が豊富で、返骨・立ち合い・供養まで幅広い対応が可能です。当日対応が可能な業者も多く、急いでいる場合でも対応してもらいやすいのが特徴です。
問い合わせの際は、以下の点を確認しておきましょう。
業者を選ぶ際の口コミ確認方法や見積もりのチェックポイントについては「ペット葬儀業者の選び方|口コミ・評判の確認方法」を参考にしてください。
なお、価格.comペット葬儀・火葬ではお客様の条件に合わせて最適な1社をマッチングし、ご連絡させていただきます。「どこに頼めばいいか分からない」「自分で探す時間がない」という場合は、ぜひ一度ご相談ください。
お住まいの市区町村の環境局・清掃局などに連絡することで、ペットのご遺体の火葬・引き取りに対応してもらえる場合があります。費用は1,000〜10,000円程度で、民間業者と比べて安価な場合が多い反面、合同火葬のみ対応で返骨・立ち合いができないケースが大半です。
まずはお住まいの自治体に以下の4点を確認しましょう。
火葬プランの種類(合同・個別・訪問火葬)の違いや選び方については「ペット火葬の種類と選び方(個別・合同・訪問火葬の比較)」をご覧ください。
犬が亡くなった場合は、狂犬病の予防及びまん延防止を目的とした狂犬病予防法により、30日以内に市区町村への死亡届提出が義務付けられています。
火葬の手配と並行して、忘れずに手続きを済ませましょう。
届出先はお住まいの市区町村の窓口(保健センター・環境課など)です。郵送やオンラインで対応している自治体も増えています。
自治体によって異なりますが、一般的に以下のものが手続きに必要です。
詳細はお住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
猫・ウサギ・ハムスター・インコなどのペットには、現時点で法律上の死亡届提出義務はありません。
ただし、ペット登録サービスやマイクロチップ登録(環境省の登録制度)を利用していた場合は、登録抹消や変更手続きが必要になることがあります。
ペット保険に加入していた場合は、保険会社への連絡・解約手続きが必要です。保険料の日割り清算や返還が発生する場合もあるため、早めに対応しましょう。
保険会社によって異なりますが、一般的に以下が手続き時に必要な場合があります。
動物病院で亡くなった場合は、その場で死亡診断書を発行してもらえる場合があります。自宅で亡くなった場合は、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。
供養の方法は、火葬・葬儀の手配と合わせて事前に検討しておくとスムーズです。主な方法として以下があります。
また、手元供養と納骨を組み合わせ、遺骨を分けて供養する「分骨」という方法もあります。
どの方法にも優劣はありません。ご家族の暮らし方や気持ちに合った方法を選びましょう。
まずはご遺体の安置を行い、翌朝以降にペット葬儀業者へ連絡しましょう。
人間と異なり、ペットの場合は獣医師による死亡確認は法律上不要のため、直接ペット葬儀業者に依頼できます。室内を涼しくし遺体を適切に保冷することで夏場でも3~4日程度は状態を保てるため、深夜に慌てる必要はありません。
24時間対応の民間業者もありますが、まずはご遺体を整えることを最優先にしてください。ペット保険に加入していた場合は死亡診断書が必要なケースもあるため、翌朝にかかりつけの動物病院にも連絡しておきましょう。
氷を入れたビニール袋で代用することができます。
直接ご遺体に当てると結露が出るため、タオルで包んでから使用してください。ドライアイスが入手できる環境であれば保冷剤より長時間冷却効果が続きます。ペットボトルを冷凍したり保冷剤を購入して交換するようにしましょう。
一部の動物病院では一時的にご遺体を預かってくれる場合があります。
ただし、すべての病院で対応しているわけではないため、その場でスタッフに確認してください。
動物病院で亡くなった場合、ペットを一度お家に連れて帰り、お別れの時間を持つことも大切です。ご事情が許さないときには、早めにペット葬儀業者を手配しましょう。
現時点では猫の死亡届に法的な義務はありません。
ただし、環境省のマイクロチップ登録制度(2022年6月以降の販売業者経由の犬猫が対象)に登録されていた場合は、登録情報の変更手続きが必要です。加入していたペット保険の解約手続きも忘れずに行いましょう。
対応している業者であれば、花や木・紙製のものを一緒に火葬できます。
ただしプラスチック・金属・ゴム製品は火葬炉に悪影響を与える可能性があるため不可の場合がほとんどです。副葬品の可否は業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
大切なペットが旅立ったとき、悲しみのなかでもしてあげられることを一つずつ進められるよう、この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
胸や腹部・頭周りを保冷剤(タオルに包む)で冷やす。季節に関わらずエンゼルケアをし適切に保冷することで3〜4日程度が安置の目安
悲しみのなかでも、できることから一つずつ取り組んでいただければ十分です。
ただし、ペットが亡くなった衝撃が大きい場合、火葬を急がずお別れの時間を過ごすことが大切です。
エンゼルケアや保冷の方法を正しくできれば、抱っこなどペットが好きだったことを続けながら、数日一緒に過ごすことができる場合も多いです。
エンゼルケアをしている動物病院やトリミングサロンに相談しましょう。一番大切なことは最愛のペットとのお別れの時間を十分に取り、葬儀を迎えることです。
火葬プランの種類や費用の目安については「ペット火葬の費用・料金相場(犬・猫・種類別)」もあわせてご覧ください。