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「エアコンが高くなるらしい」「安い機種がなくなると聞いた」——量販店のチラシやニュースでそんな情報を目にして、気になっている方も多いのではないでしょうか。
2027年4月から家庭用エアコンの省エネ基準が大幅に強化され、現行の低価格帯モデルの多くが製造・販売できなくなります。「エアコン2027年問題」と呼ばれるこの変化は、これからエアコンの買い替えを検討しているすべての家庭に関係します。この記事では、2027年問題の背景と具体的な変化、いつ買い替えるべきかの判断基準、費用の仕組み、補助金情報、信頼できる業者の選び方まで詳しく解説します。
2020年にハウスクリーニング士1級(指導員資格)を取得し、NPO法人日本ハウスクリーニング協会の指導員としても活動している。
天然植物洗剤を使用し、お子様やペットにも安心なクリーニングサービスを提供。大手エアコンメーカー勤務で培った専門知識を活かし、エアコンクリーニングだけでなく、設置・修理など各種工事にも対応している。
高い技術力と丁寧な接客で、快適で安全な住環境づくりに努めている。
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エアコン2027年問題とは、2027年4月から家庭用エアコンの省エネ基準が大幅に強化され、基準を満たさない格安モデルが製造・販売できなくなる問題です。低価格帯の選択肢が減り、市場全体の価格が上昇すると予測されています。
省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)に基づくトップランナー制度では、市場で最も省エネ性能の高い製品を基準に、業界全体の効率化目標を設定しています。家庭用エアコンに対してもこの基準が設けられており、経済産業省は2025年に改正を告示。2027年4月からの新基準適用が決まりました。
今回の改正は、前回の基準改定からおよそ15年ぶりとなる大幅な見直しです。家庭のエネルギー消費量のうち冷暖房が占める割合は約3割に上るため、エアコンの省エネ化は国全体の脱炭素目標とも密接に関係しています。
新省エネ基準を満たさないエアコンは、2027年4月以降、製造も販売もできなくなります。
現在スーパーや量販店で販売されている低価格帯モデルの多くが基準に達していないため、市場から姿を消す可能性があります。残るのは基準を満たした省エネ性能の高いモデルに限られ、選べる機種が絞られるとともに価格も上昇します。
ひとつ重要なのは、「今持っているエアコンが使えなくなる」わけではないという点です。規制の対象はあくまで「製造」と「販売」であり、すでに設置済みのエアコンはそのまま使い続けることができます。ただし、故障時の修理部品の確保や冷媒の補充については将来的に困難になるケースが出てくるため、お使いのエアコンの状態を早めに確認しておくことをおすすめします。
省エネ性能を示す指標がAPF(Annual Performance Factor:年間エネルギー消費効率)です。数値が高いほど少ない電力で効率よく冷暖房できることを意味します。
2027年からは畳数別のAPF基準が以下のように引き上げられます。
| 畳数 | 現行APF 基準 |
新APF基準(2027年〜) | 改善幅 |
|---|---|---|---|
| 6〜10畳 | 5.8 | 6.6 | 約13.8%向上 |
| 14畳 | 4.9 | 6.6 | 約34.7%向上 |
| 18畳 | 5.0 | 6.3 | 約26.0%向上 |
| 20畳 | 5.0 | 6.1 | 約22.0%向上 |
特に14畳タイプは現行基準から34.7%もの大幅な性能向上が求められており、コスト増の影響が最も大きい畳数帯となっています。お使いのエアコンのAPF値は室内機のラベルや取扱説明書で確認できます。
省エネ性能を高めるためには、インバーター制御の精度向上、熱交換器の大型化・高性能化、断熱材の強化など、製造コストが上がる技術投資が必要になります。低価格帯モデルはコストを抑えることで低価格を実現してきたため、新基準への対応が構造的に難しい状況です。その結果、基準を満たせない低価格帯モデルが市場から減少し、残るのはコストをかけて基準をクリアした中〜上位グレードのモデルのみとなります。
現時点では、エアコンの市場価格が全体的に3割以上上昇する可能性が指摘されています。特に低価格帯での値上がり幅が大きくなる見込みです。
| グレード | 現在の目安価格(6〜8畳) | 2027年以降の予想 |
|---|---|---|
| 低価格帯 | 6万〜10万円台 | 12万〜18万円前後 |
| スタンダード | 10万〜15万円台 | 15万〜20万円前後 |
| ハイグレード | 20万円〜 | 変動幅は比較的小さい見込み |
※価格はメーカー・販売店・時期によって異なります。あくまでも現時点での予測であり、実際の価格変動は市場状況によって変わります。
2027年問題の認知が広がるにつれ、2026年は「今のうちに安い機種を」という駆け込み需要が高まることが予想されます。具体的には次の3つのリスクが考えられます。
特に夏前(5〜7月)は例年エアコン工事の繁忙期と重なるため、2026年の同時期は「買いたいときに買えない・工事が間に合わない」という事態が起きやすくなります。余裕をもって2026年春までに機種選定と業者への問い合わせを始めることが現実的です。
エアコンの寿命は一般的に10年が目安とされており、使用年数が10年以上、修理費が高額、または旧冷媒(R410A)を使用している機種は、早めの買い替えをおすすめします。2027年以降は選択肢が減り価格も上がるため、低価格帯のモデルを検討しているなら2026年中の購入が現実的なタイムリミットです。
以下のいずれかに当てはまる場合は、早めの買い替えを検討しましょう。まず現在のエアコンの状態を確認することから始めてみてください。
エアコンの設計上の標準使用期間は概ね10年とされています。10年を超えると省エネ性能が低下するだけでなく、故障リスクや修理部品の入手が困難になるケースが増えます。内部のコンプレッサーや基板の経年劣化は外からはわかりにくく、ある日突然動かなくなるケースも少なくありません。2027年問題で新モデルの価格が上がる前に、計画的な買い替えを検討しましょう。
修理の見積もりが5万円を超えるようなら、新品への買い替えを検討する方が長期的にお得なケースが多いです。修理してもコンプレッサーや熱交換器など主要部品が老朽化していれば、数年以内に再び故障するリスクは下がりません。「修理費÷本体価格×100」の割合が50%を超えるかどうかを目安にする方法もあります。判断に迷ったら、複数の業者に相談して意見を聞くことをおすすめします。
2010年代前半までに販売されたエアコンの多くには「R410A」という冷媒(エアコン内部を循環するガス)が使われています。フロン排出抑制法によって冷媒の回収・再利用が義務付けられており、今後R410Aの補充が難しくなる見込みです。ガス漏れが発生した際に補修できないリスクが高まります。使用中の冷媒の種類は室内機・室外機に貼られたラベルで確認できます。「R410A」の表記があった場合は、早めの買い替えを視野に入れましょう。
2027年4月以降も、すでに製造・流通している在庫品は一定期間販売される可能性がありますが、品薄と価格上昇が想定されます。低価格帯のモデルを検討しているなら、在庫が豊富で工事予約も取りやすい2026年春〜夏前が現実的なタイムリミットです。
「壊れてから替えればいい」と考えていると、2027年以降は選択肢が狭く価格も高い状況での緊急交換を迫られることになりかねません。急いで決める必要はありませんが、まず今のエアコンの製造年と型番を確認するところから始めてみましょう。
省エネ性能の向上に伴い、新基準対応モデルでは室外機が従来より大型化する傾向があります。現在の設置スペースに新しい室外機が収まらない場合、架台の設置や設置場所の変更など追加工事が必要になることがあります。
ベランダが狭い・壁面設置・屋根置きの場合は特に注意が必要です。工事前に業者へ現地確認を依頼し、スペースの問題がないか確認しておきましょう。追加工事が発生すると費用も変わるため、見積もり時に必ず確認することをおすすめします。
エアコンの買い替えにかかる費用は、本体価格だけでなく取り付け工事費が別途かかります。工事費は標準工事(基本的な取り付け作業)の範囲内に収まる場合と、設置環境によって追加工事(配管延長・穴あけ・電気工事など)が必要になる場合があります。同じ機種でも設置条件によって総額が数万円単位で変わるため、本体価格だけで比較せず「本体価格+工事費」のセットで総額を把握することが大切です。
費用の詳しい相場や工事内容の内訳については、こちらの記事を参考にしてください。
新基準対応モデルへの買い替えによる電気代の削減効果も考慮しましょう。初期費用だけでなく、長期的な節約効果を含めてトータルコストで判断することが大切です。
| タイプ | 節約効果の目安 |
|---|---|
| 14畳タイプ (4.0kW機) |
経済産業省が定めた新基準では、14畳タイプの省エネ性能を約34.7%引き上げることが求められています。これに基づき、現在の標準的なモデルから新基準モデルへ買い替えた場合、年間で約15,000円〜18,000円(※)の節約になる試算です。 |
| 6畳タイプ (2.2kW機) |
もともと省エネ性能が高いクラスですが、それでも新基準への移行により年間約2,700円前後の削減が期待できます。 |
※算出の根拠について、経済産業省「資源エネルギー庁」公表の新省エネ基準目標値(APF4.9→6.6への改善)をベースに、電力料金目安単価31円/kWh(税込)で算出した目安です。
初期費用の増加分を電気代の節約額で回収するまでの期間(損益分岐点)は、グレードや使用環境によって異なりますが、おおむね5〜8年程度が目安と考えられます。電気代が高止まりしている昨今、省エネ性能を重視した選択は長期的に見て合理的です。
エアコンの買い替え費用は決して安くありませんが、国や自治体の補助金を活用することで負担を軽減できる場合があります。補助金は申請期限が設けられているものが多いため、購入前に必ず確認しておきましょう。
国土交通省が実施する「みらいエコ住宅2026事業」は、省エネ性能の高い住宅の新築・リフォームを支援する制度です。 エアコンの買い替えにあわせて、断熱リフォームや開口部(窓・ドア)の改修を行う場合は、組み合わせて補助金を活用できる可能性があります。 ただし、申請は登録事業者(施工業者)経由で行う形式のため、業者への見積もり依頼時に「みらいエコ住宅2026事業の対象になるか」を確認しておくことが重要です。制度の詳細や補助額は工事内容によって異なるため、最新情報は国土交通省の公式サイトでご確認ください。
国の制度とは別に、都道府県・市区町村が独自に省エネ機器の導入補助金や、高齢者向け熱中症対策補助金を設けているケースがあります。補助額・対象条件・申請期限は自治体によって大きく異なり、毎年度変わることも多いです。
「お住まいの市区町村名 エアコン 補助金 2026」で検索するか、市区町村の公式サイトや窓口で確認しましょう。購入・工事の前に申請が必要なケースもあるため、業者への依頼と並行して早めに確認しておくことが重要です。
2027年の新省エネ基準に対し、主要メーカーはどのように対応を進めているでしょうか。購入前の参考として、各社の状況を確認しておきましょう。なお、各社の最新ラインナップや対応状況は販売店やメーカー公式サイトで随時確認することをおすすめします。
ダイキンは省エネ技術に強みを持つメーカーで、上位グレードの「GXシリーズ」などは高いAPF性能を持ち、新基準への対応見込みが高くなっています。一方、低価格帯グレードの「Eシリーズ」(APF5.8)は現行基準を満たしているものの2027年の新基準には未達のため、後継モデルへの移行や廃止が見込まれます。
パナソニックは「エオリア Cシリーズ」が新基準対応見込みとされています。低価格帯のモデルについては廃止・ラインナップ統合の可能性があり、選択肢が絞られることが予想されます。
日立は「ステンレス・クリーン 白くまくん」を展開しており、上位グレードは省エネ性能が高く新基準対応見込みが高くなっています。低価格帯モデルの継続については各社の方針次第であり、最新カタログや販売店での確認をおすすめします。
エアコンの買い替えでは、本体の購入先だけでなく取り付け工事を依頼する業者選びも重要です。資格・実績・価格を確認したうえで、信頼できる業者に依頼することが安全で満足のいく工事につながります。
エアコンの取り付け・交換に伴う工事には、法律で資格が必要なものが含まれます。
「安いから」「すぐ来るから」だけで業者を選ぶと、無資格工事や手抜き施工のリスクがあります。業者への問い合わせ時に資格保有の有無と工事保証の有無を必ず確認しましょう。
同じ機種・同じ工事内容でも、業者によって工事費が数千円〜数万円異なることは珍しくありません。2〜3社から見積もりを取って比較することで、費用を抑えながら信頼できる業者を選べる可能性が高まります。見積もりは無料で対応している業者がほとんどですので、気軽に複数社へ問い合わせましょう。
見積もりを依頼する際は、金額だけでなく工事内容の詳細も必ず確認しましょう。
まず標準工事に何が含まれているかを確認します。配管の長さ上限(一般的に4m)、旧機の廃棄処分費の扱い、コンセント工事の有無などは業者によって扱いが異なります。同じ見積もり金額でも含まれる内容が違えば実質的なコストは変わるため、内訳を細かく確認することが大切です。
「配管が長い」「200V工事が必要」「高所設置」など追加工事が想定される場合は、見積もり段階で条件と費用を明確にしておきましょう。工事当日に追加費用を告げられると交渉の余地が少なくなるため、事前確認が重要です。
工事後に不具合が生じた場合の対応可否と保証期間を確認します。明確な保証がある業者を選ぶと、施工後のトラブルにも安心して対応してもらえます。旧エアコンの取り外し・廃棄処分への対応可否と費用もあわせて確認しておきましょう。
使えなくなるわけではありません。2027年問題の規制対象はエアコンの「製造」と「販売」であり、すでに設置済みのエアコンの使用は引き続き問題ありません。ただし、故障した際の修理部品の確保や、冷媒の補充が困難になるケースが今後増えてくる可能性があります。まずお使いのエアコンの製造年と冷媒の種類を確認し、不安な場合は業者に相談することをおすすめします。
2027年4月1日から、新たな省エネ基準が適用されます。この日以降、基準を満たさないエアコンの製造・販売はできなくなります。販売在庫については一定期間の売り切りが認められる場合がありますが、品薄と価格上昇が予想されます。余裕をもって動くなら、2026年中に購入・工事まで完了しておくことをおすすめします。
メーカーが部品を供給している期間は修理対応が可能です。一般的に部品の供給期間は製造終了後10年を目安にしているメーカーが多くなっています。ただし、冷媒にR410Aを使用している機種は、フロン排出抑制法の規制強化により将来的に冷媒の補充が困難になる可能性があります。製造から10年以上経過している機種は、修理よりも早めの買い替えを検討することが現実的です。
業務用エアコンは家庭用とは別の省エネ基準・スケジュールが設けられており、2027年問題の規制内容とは直接連動しない部分があります。ただし、業務用製品についても省エネ基準の見直しが進んでいますので、使用状況に応じて設備業者や専門店に最新状況を確認することをおすすめします。
製造・販売の期限は2027年3月末が目安となります。それ以降は流通在庫として一定期間販売される可能性がありますが、在庫がいつまで残るかは不透明です。低価格帯のモデルの選択肢を確保したい場合は、2026年中に購入を検討することをおすすめします。機種選定に迷ったら、まず販売店や工事業者に相談してみましょう。
エアコン2027年問題は、2027年4月からの省エネ基準強化によって現行の低価格帯エアコンの多くが製造・販売できなくなり、価格が全体的に上昇するという変化です。この記事のポイントを整理します。
買い替えの判断に迷ったら、まず現在のエアコンの使用年数と冷媒の種類を確認することから始めてください。「まずは情報収集だけ」という段階でも、複数の業者に相談してみることで、ご自身の状況に合った選択ができます。